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 漢方医学は古い時代の中国大陸に起源を有する伝統医学です。奈良平安時代から唐や明への留学生や、大陸からの帰化僧らによって日本に伝えられました。私たちの先人達は当時の貴重な医書を研究し、漢方治療を実践しながら現代に伝えてきました。その中心地が京都であり、室町時代から江戸時代にかけて多くの医師がこの京都で漢方医学を学んできたのです。

漢方医学について

 西洋医学が解剖学、生理学、生化学といった科学を基礎に成り立っているように、漢方医学は陰陽五行、臓腑経絡、気血津液、生薬学を基礎に成り立っている医学です。漢方診療に従事する医師はこれらの領域に習熟している必要があり、二千年以上に及ぶ古今の医学書を収集研究し続け、生涯にわたって診療レベルの向上に努めなければいけません。

【上写真】黄帝内経・素問の目次

黄帝内経は中国伝統医学(中医学)の最も重要で権威ある古典であり、 約二千年前に成立して現代中医学や漢方医学の基礎となっています。

【右写真】漢方の脉診
漢方の脉診では必ず左右両手の脈を診ます。左右それぞれの脈を医師の人指し指・中指・薬指の3本で診ますから、左右合わせて6部の脈状を診ることになります。深く押さえ込んで診たり(沈取)、軽く触れるだけで診たり(浮取)、浮沈中間位置で診たり(中取)して、臓腑や気血の変化を捉える診察技能です。

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